安田菜津紀の名言
マジョリティ(多数派)のための「教材」ではない。
by 安田菜津紀
『PHP2022年10月号:立ち止まったままでもいい 前を向いていこう』PHP研究所 (2022/9/9)より
出典元書籍:https://amzn.to/3BOAo26
阿部牧歌の「のほほんコラム」
こんにちは阿部牧歌です(*’ω’*)
今日はフォトジャーナリスト
の安田菜津紀さんの名言を
取り上げさせていただきました。
日本でも多様性という言葉が
広く使われるようになってきていますが、
ともすれば多様性とは、
多数派が少数派のことを勉強することと
捉えられることも多いのではないでしょうか。
それを否定するつもりはないのですが、
安田菜津紀さんの
「マイノリティ(少数派)は、
マジョリティ(多数派)のための「教材」ではない」
という言葉を聞いて、
「対等」という観点が抜けている場合が多いのではないかなと思うのです。
社会的に少数派に属する人と多数派の人は、
そもそも対等です。
考え方や能力の凸凹などが違うだけで、
どっちが上ということではないのです。
私は仕事柄、障がいを持った方と接することが多いのですが、
最近、強く思うことは能力の凸凹はあれど、
人間として共に対等であるということです。
これは発達障害のとある先生の方が言っていた言葉なのですが
「健常者も発達障害の人も能力の総合値は同じ」
という旨のことをおっしゃっていました。
健常者と発達障害の人を比べたときに、
発達障害の人の方が下だと思う方もおられるかもしれませんが、
能力の総合値は同じなのです。
ここからは個人的見解なのですが、
そもそも人間の能力の総合値なんてゲームのように数値化できません。
人間を計るモノサシなんて無限にあるのですから、
そもそも人間同士の能力を比べることが無意味なのです。
足の速さのタイムという特定の一要素で比べることはできても、
料理が上手だったり、コミュニケーション能力がピカ一。
プログラムを組ませたら、とんでもないものを作り上げるなど、
人の能力は特定の一面では計れないのです。
私が思う多様性とは、
多数派も少数派も可能性に満ち溢れた人間であると
互いに認め合うことだと思うのです。
すべての人間は尊重されるべき価値のある人間であり、
互いを認め合うこと。これこそが多様性であると思うのです。
決して少数派のことを上から目線で多数派が学ぶことが
多様性とは思いません。
安田菜津紀さんの言葉を聞いて、
改めて互いに尊重にし合う社会が来るといいなと思いました。
安田菜津紀のプロフィール
安田 菜津紀(やすだ なつき/1987年3月30日-)は、神奈川県横須賀市出身のフォトジャーナリスト。東南アジア、中東、アフリカなどで貧困や難民問題などを取材している人物であり、NPO法人Dialogue for People副代表などを務める。夫は同じくフォトジャーナリストの佐藤慧(さとう
けい/1982年-)。2019年に『しあわせの牛乳』で第66回産経児童出版文化賞JR賞を受賞。
参考文献・出典:Wikipedia(URL)
主な著作
- 『外国人差別の現場』朝日新聞出版 (2022/6/13)
- 『あなたのルーツを教えて下さい』左右社 (2022/2/22)
- 『生きるって、なに?死ぬって、なに?』東京書店 (2021/10/27)
- 『おいしい牛乳は草の色』春陽堂書店 (2020/3/5)
- 『故郷の味は海をこえて: 「難民」として日本に生きる』ポプラ社 (2019/11/15)
- 『あなたと、わたし』日本写真企画 (2018/12/15)
- 『チェンジの扉 ~児童労働に向き合って気づいたこと~』集英社 (2018/8/3)
- 『しあわせの牛乳』ポプラ社 (2018/3/16)
- 『この残酷な世界でどう生きようか』幻冬舎 (2017/6/30)
- 『写真で伝える仕事 世界の子どもたちと向き合って』日本写真企画 (2017/2/18)
- 『君とまた、あの場所へ: シリア難民の明日』新潮社 (2016/4/22)
- 『それでも、海へ 陸前高田に生きる』ポプラ社 (2016/2/5)
- 『ファインダー越しの3.11』原書房 (2011/12/1)
- 『アジア×カメラ―「正解」のない旅へ』第三書館 (2011/5/25)
安田菜津紀の著作一覧:https://amzn.to/3Se99DV